住宅にしろ、アパートにしろ、大抵の人は不動産を売却する際には不動産会社で査定をお願いして、最

も査定額が高いところで売ろうとするが、これは大きな間違いである。

例えば自家用車を売りに出すときは、同じように何社か車屋さんを回ったり、最近ではインターネット

で一括査定ができたりするので、そこで一番高値がついたところへ売却するというのは非常に理に適っ

ている。

なぜなら、自家用車の査定価格は買取金額であるので、その提示価格は確定しており、当然買取査定額

を比較して高いお店で売るべきである。

しかしながら、不動産の場合はどうか？

査定額は通常、その不動産会社の考える相場価格の提示である。

つまりどういうことかと言うと、実は売れるか売れないか市場に出してみないとわからないのである。

そう考えると皆様が不動産業者の立場になったとき、売却の査定依頼がきたらどのような対応をするか

は、実は結構いろいろ考えてしまいませんか？

当然お客様のために高く売ってあげたい気持ちはあるが、売れなければ意味が無い、かといって売れる

価格で出したら他社との比較で負けてしまうのではないか？と。

まさに皆様と同じように、やはりどこの不動産屋も同じように考えるものなのです。

なかなか正直にこの価格で売れますとは言いにくい。

あまり良くないものになると、売却依頼を頂きたいばかりに、到底無理な査定額を提示する会社も少な

くないというのが現実です。

そういった会社に依頼するとどうなるか？

当然、相場より高い金額で市場に出すので、基本市場で見向きされることはない。

時間だけが過ぎていくが、高値の査定額を提示した不動産屋は、自分から値下げ依頼をするのはバツが

わるいので、さらに時間だけが過ぎ放っておかれる。

そのうちしびれを切らした売主本人から値下げをお願いする、もしくはまた他の不動産屋に声をかける

ということになり、結局時間の無駄（経費や手間も無駄）と売れ残り物件のレッテルを貼られた物件と

いう汚名だけが残ることになる。

まずは売れるであろう相場額を必ず納得するまで確認すること。

プロの提示する相場額には必ず根拠があります。

査定方法も積算法、収益還元法、取引事例比較法があり、どの査定方法を使っているのか？競合となる

売出物件はどういう状況か？

そういったことを納得のいく説明（資料の提示）をしてくれなければ、あまり良くない兆候である。

売却希望を頂いた殆どの方が、納得いく説明があって初めて本来の相場を理解することができます。

そして一番重要なのは相場を知ったうえでどうやって売るか？

つまりその会社がどういう販売戦略をするのか？である。

どういう情報掲載をするのか？

広告はどこにどのようにかけるのか？

相場を知ったうえでいくらで売り出すか？

その金額で売れなければどうするか？

そしてその会社の実績はどうなのか？

他にどれくらいの物件を掲載しているのか？

どのくらいの集客があり、どのくらいの決定力（反響来店率×来店契約率）があるのか？

そこを確認して売り出す会社を決めて欲しい。

以上、考えれば当たり前の話だが、なかなか伝えるのは難しい話でもあります。