【福山市不動産コラム⑧】売却相場(物件の価値)を知らないオーナーの危険
皆様がご所有されている賃貸物件もいずれは、どこかのタイミング(老朽化して使えなくなる前に)で、大規模修繕、建替え、売却の選択を余儀なくされます。
特に最近は相続で賃貸物件を譲り受けた方からの相談が非常に多く、たいていの方は売却を選ばれます。
遠方に住んでいるのでこちらの市場がわからないし、そもそも賃貸経営がわからない方が多く、面倒だし失敗したくもないので手切れ良く売却したいというお考えです。
私としても同じ立場であればそうしたくなる気持ちも良くわかります。
普段から将来の人口減少はよく耳にしていてこの先需要があるか不安です。
また賃貸物件そのものもリフォームしているとはいえ相当築年数が経過していて何かとお金がかかりそうです。
普通の人であれば、忙しい日常を過ごしながら賃貸経営をやっていける自信はないですし、いずれ大規模修繕、建替え、売却の選択があると思えば、売却を選びたくなるはずでしょう。
特に相続で遺言も無く、兄弟姉妹で賃貸物件を共有してしまった場合は、売却以外の選択肢は無いと言っていいでしょう。
とはいえ売却も簡単ではありません。
そもそも遠方に住んでいたり、賃貸経営に関わったことがないので
どうやって相場を理解すべきか?
どこの不動産屋へ依頼すべきか?
どのタイミングで売却すれば良いのか?
が分かりません。また共有者全員の足並みを揃えるのも大変です。
親の世代であれば、どこの不動産屋に相談すれば良いかくらいはわかるものです。
見込み客である賃貸オーナーとの接点が多そうな不動産屋は、普段自分が付き合っている不動産屋ですし、担当にも簡単に査定相談できます。
それが子供さんの世代になるとその関係がすべて無くなります。
賃貸オーナーとあまり接点の無さそうな不動産屋に相談して、相場も理解せずに取り敢えず手っ取り早く売却しようとします。
まずはせめて親の責任として、賃貸物件の相続先は単独で決めて遺言書にしておくこと。
可能であれば、その相続人である子供さんを生前から賃貸経営に巻き込み理解させること。
上記が無理であれば、早めに自分自身の代で売却準備をしておきましょう。
賃貸物件の相場は他の投資商品と比べると変動はありませんが、トレンドはあります。
今、ご自身の賃貸物件の価値はいくらなのか?今後どうなりそうか?
くらいは調べておいて子供さんに伝えておいてみてはいかがでしょうか?
そういったきっかけがわりと重要で、ひょっとすると子供さんから賃貸経営をやりたいと言われるかもしれません。