【福山市不動産コラム④】満室経営なのにお金がない謎
確定申告を税理士にお任せしている方、ご自身でされている方がいらっしゃると思いますが、今回は確定申告を自分でするのはとても大変だが、なるべくなら自分でやったほうが良い、もしくは税理士に任せするにしても丸投げするのではなく、なるべくご自身で理解したほうが良いというお話です。
私達管理会社の仕事の中で最も重要なミッションは、『オーナー様のお部屋を満室にする』ということです。
6部屋中1部屋でも空室があるということは、適正家賃が5万円だとした場合、年間60万円のロス(機会損失)があるということです。
たまに6部屋中3部屋とかの空室が長期間あっても、従来の管理会社にお世話になったからと、気を遣って管理を切り替えできないオーナー様もいらっしゃいますが、年間180万円をごみ箱に捨てている状態なので、絶対に早く満室にしてくれる管理会社に切り替えるべきで、本来気を遣うべきはオーナー様でなく、相手の管理会社です。
管理会社として決める力が無い、無くなってきているのであれば、オーナー様から切り替えの申し出があれば、たいていは申し訳無いと素直に応じてくれるはずです。
そうやって、なんとか満室になったオーナー様でも、何故か以前ほどキャッシュが残らない、もしくはキャッシュフローが赤字になる方がいらっしゃいます。
原因が「無駄遣い」なのであれば、「ちゃんと節約してくださいね」で済む話だが、大抵は「無駄遣い」をするオーナー様はそんなにいらっしゃいません。
その場合の原因は、「確定申告書」を診断することでおおよそ特定できます。
つまり税金を払いすぎている状態、節税でやれることがあるのにやっていない状態が殆どといえます。
不動産賃貸業は時間が経過するほどに築年数とともに収入が減る、かつ修繕費が増えるのが一般的です。
それでキャッシュフローが減ることはある程度致し方ないのですが、さらに時間が経過するとともに実は「目に見えない経費で落とせるもの」が減ってきて、税金が増えることがあります。
具体的には「減価償却費」と「利息」になります。
「減価償却費」は特に15年目以降から一気に減ってきます。
これは建物付属設備の償却期間が15年で終わることが要因です。
ですので、不動産賃貸業は15年目以降が勝負で、
いかに効率良く満室経営をするか?(家賃をなるべくキープする)
いかに効率良く節税をするか?(上手に修繕費を使う、青色申告、専従者給与などなど)
が勝負の分かれ目になってきます。
不動産賃貸業の節税ポイントはそんなに多くなく、意識ひとつでかなり大きな金額の節税ができます。
その意識の高さは私が見るに、ご自身で確定申告を作成、申告している方、もしくは税理士に任せてもしっかり内容を理解している方のほうが高いです。
むしろ税理士に任せっぱなしの方のほうが、節税(合法的な)できていないと感じています。
まずは、ご自身で確定申告書をしっかり理解するところから始めることをお奨めします。
また、ご自身で勉強しても良くわからないという方は、弊社で確定申告セミナーを開催しておりますので、そちらのほうへもご参加してみてください。
もし、このコラムを読んでいるのがサラリーマンの方であれば、源泉徴収システムにより特に納税の意識が低い(ほぼ無いと言っても過言ではない)ので、ふるさと納税を敢えてワンストップ納税を使わないで確定申告をするというのも、意識が高くなる良いきっかけになるかと思います。
最近はe-taxでPC(スマホでもOK)さえあれば簡単に、ご自身でも確定申告できますので、是非チャレンジされてみてはいかがでしょうか?
わが社の社員達もそうだが、サラリーマンは源泉徴収システムで毎月、給与から所得税住民税を天引きされ、年末調整で最終調整をするだけなので、税金に対する思いはどうしても薄くなりがちである。
税金に対する思いが低いということは、社会(税金の遣い方)に対する無関心に繋がり、国家は源泉徴収システムによって操りやすい(文句を言わない)国民を量産しているのである。
特に若い世代はほぼサラリーマンになる時世なので、若い人の政治に対する無関心は、税金を払っているという実感の無さからくるものも一因かと思われる。
私は仕事柄、住宅ローンや融資の窓口代理をすることも多く、いろんな会社の社長や自営業者、アパートオーナー様、サラリーマンの源泉徴収票や確定申告書を見てきたが、皮肉なことにそんなサラリーマンが一番納税している。
自営業者は特に、自分で稼いだお金を自分で税金額を申告し納付するということから、嫌でも意識が高くなるのであろう。