【福山市不動産コラム⑬】賃貸経営で失敗する条件
賃貸経営で失敗する条件
不動産を利用した賃貸経営は比較的安全性の高い投資ですが、とはいえ色んな条件次第で失敗する方も少なくはありません。
今回は良くある失敗パターンを知ることで、失敗から学びを得て頂き、皆様のより良い賃貸経営の参考にして頂ければと思います。
①賃貸需要が無かった(少なかった)
地主オーナーにありがちな失敗です。
先祖から引き継いだ土地を何とか守りたい目的で、節税も兼ねてアパートを建築する人は少なくありません。
しかしながら、市場とはそのような目的とは全く関係無く、住む人と戸数の需給バランスで決まってくるもので、基本住む人は全国レベルで減少していますので、シビアな市場調査は欠かせません。
供給過多でエリア入居率が下落すれば、よほど差別化できる条件が無い限り、賃料も物件価値も下落しますし、最悪ずっと空室状態になります。
そして賃貸経営は非常に期間が長く、どんなに短くても10年は想定が必要で、新築であれば35年の想定が必要です。
その期間を市場で生き残るだけのプランが必要になります。
そのなかでもエリア選定のミスは、自分の努力ではどうにもならない取り返しのつかない最も致命的なミスとなります。
②設定賃料が高すぎる
中古購入時に多いのですが、購入時点の賃料をベースに利回りを算出しても、以降必ずその通りになることはあり得ません。
実物資産である建物は経年とともに劣化し、価値も下落します。
つまり今の賃料は何もしなければ必ず下がるものです。
そこを計算しないで10年間、現在と同じ収益を期待することは無謀な計画と言って良いでしょう。
③修繕費用の想定が無い(甘い)
上記の設定賃料と同じく、修繕計画の無い賃貸経営も無いでしょう。
入退去の度にいくらかかるのか、どの時点で修繕が必要なのか、その費用はどこから捻出するのか等の計画が無い場合、建物はどんどん劣化し、賃料も価値も下落します。
④出口戦略の見通しが無い(甘い)
建てた時はピカピカの新築でも、経年と共にいずれ劣化します。
そして誰もがいつかは、売却するか、大規模修繕するか、建替えるかの判断をしなくてはいけません。
中古の場合はもっと早くそのタイミングがきます。
その時にいくらで売却できるのか?いくらで大規模修繕や建替えができるのか?はその時にしか分からないとはいえ、ある程度の想定は必要でしょう。
中古購入の場合は特に、その出口戦略を見誤ると致命傷になりかねません。
⑤浪費が酷い。
賃貸経営でまとまったキャッシュフローが出来るとつい油断して浪費気味になる方がいます。
どんなに優れた物件選定でも、必要以上の浪費で修繕ができなくなったり、返済費が足りなくなったら、やはりいずれ行き詰ります。
特に設備関係の減価償却が無くなる15年以降で一気にキャッシュアウトするオーナーは少なくなく、そのタイミングで売却される物件は良く見かけます。
以上、5つのよくある失敗パターンを記載しましたが、結局のところ新築時(購入時)の見立てや計画(設定賃料、修繕計画、出口戦略)がとても重要になります。
数年前に東京の不動産業者が地方の中古アパートを、関東在住のサラリーマンへ販売するスキーム(某銀行さんによる融資がセット)が流行りました。
物件も見ないで購入するのも無茶ですが、そもそも私達プロから見てもかなり無謀な購入に見えました。
その頃購入した人たちが地獄を見てなければ良いのですが、そのような売買に積極的に関わっていなかった私達にはわかりません。
現在でも賃貸市場や経営のことを良く知らない不動産業者やブローカーから、表面の利回りだけをみて判断し購入する方が今でも少なくありません。
私達はこのエリアで年間1300件ほどの賃貸仲介をしており、1800戸ほどの賃貸物件を管理しています。
失敗したくなければ、まずは私達のような賃貸が得意な業者に相談してください。
私達が無茶な計画を推奨すれば、いずれ必ず我が身に返ります。