【福山市不動産コラム⑦】失敗ばかりの相続対策
生前に相続について考えることは重要と思ってはいても、実際に相続対策をする人は多くはありません。
また相続対策をしていても、効果的な相続対策ができている人は本当に少なく、たいていは間違った相続対策になっていることが少なくありません。
私は不動産屋ですが、相続の専門家として過去6年間色んな相続の失敗例をみてきました。
今回は実際の具体的な失敗例を皆様に紹介したいと思います。
よくあるケースもあれば、稀なケースもあります。
まさに様々な失敗例を以下に記載します。
【よくあるケース】
・亡くなった後に遺族が財産の分け方で仲違いをしてしまった。
・いつまで経っても遺産分けが確定しないので故人の財産は凍結されたままで使えない状態で納税にも使えないし、税額も本来の倍近く払わざるを得なかった。
・自筆の遺言書はあったので銀行で解約手続きしようとしたら、この遺言書では不備で手続きには使えないと言われた。
・遺言書の書き方が悪いので、結局遺産分割協議をしないといけない(これは本当に多い)
・相続財産が不動産ばかりで納税資金が足りずに、納税時期までに売却しないといけない状態となり、結局安値で止む無く売るはめになった。
・とにかく非課税枠内での生前贈与はしていたが、もっと効果的な生前贈与の方法があることを亡くなった後に知った。
・相続税申告は税理士に全て任せていたが、何年後かに他の専門家にみてもらったら、不動産の評価が高く相続税を払い過ぎと言われた。(納税者の70%は払い過ぎているというデータもあり)
・税理士のすすめで、一次相続を配偶者の税額控除を使って税金ゼロにしたが、二次相続で余計な税金を払いすぎるはめになってしまった。
【たまにあるケース】
・亡くなった後に誰が法定相続人か、何の財産があるのかを調べるだけで相当時間がかかってしまい、マイナスのほうが多いにもかかわらず既に相続放棄は出来ないと言われた。
・遺族の一人が認知症で遺産分けの話し合いすらできない状態で、話を進めるためには成年後見人が必要と言われた。
・遺留分侵害請求をされたのに、払えるお金が無い。
・税務調査が入り、過去の生前贈与が認められず相続税の追徴課税を受けた。
・非課税枠目的の生命保険に契約していたが、保険の種類が違っていたり、契約形態が間違っていたりして非課税枠が使えないと言われた。
・相続税がかからない状況なのに、建築メーカーに相続対策になるとすすめられ、需要が無いエリアにもかかわらずアパートを建築してしまった。
まだまだありますが、ほんの一部を記載しました。
相続対策はしないよりはしたほうが良いですが、やはり正しく対策することが重要です。
でも正しく対策しようとしても、実は相続全体の知識をもっている人は非常に少ないのが現実です。
なぜなら相続の専門家は「相続の知識」「税務の知識」「不動産の知識」「建築の知識」「保険の知識」すべてが必要だからです。
そのなかで大きなウエイトを占めるのは明らかに「不動産」です。
私はたかが不動産屋ですが、実は相続全体を通して俯瞰かつ詳細にみることが出来るのは、我々不動産屋のほうが向いているのではないかと自負しております。
興味が少しでもございましたら、私どもが毎月開催している「相続対策セミナー」へまずは参加されてみてはいかがでしょうか?