コラム

【アパート経営】キャッシュフローとは?家賃収入があってもお金が残らない理由

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「毎月、家賃収入は入っているのに、なぜか手元にお金が残らない……」 アパート経営をされているオーナー様から、このようなご相談をいただくことがあります。 アパート経営では、単純に「家賃収入がいくらあるか」だけを見ていてはいけません。なぜなら、家賃収入からローン返済や管理費、修繕費、税金など、さまざまな支出が発生するからです。 そこで重要になるのが、「キャッシュフロー」という考え方です。 今回は、アパート経営を始めたばかりの方にも分かりやすいように、キャッシュフローの基本から、「家賃収入があるのにお金が残らない理由」、さらに安定した賃貸経営のために確認しておきたいポイントまで解説します。 1.そもそも「キャッシュフロー」とは? キャッシュフローとは、簡単にいうと、実際のお金の出入りのことです。 アパート経営の場合、 入ってくるお金 − 出ていくお金 = キャッシュフロー と考えると分かりやすいでしょう。 例えば、毎月の家賃収入が100万円あったとしても、そこから、 管理費 共用部分の電気代 清掃費 修繕費 借入金の返済 固定資産税・都市計画税 火災保険料 その他の経費 などが支出されます。 そのため、「家賃収入100万円=100万円が手元に残る」ということではありません。 例えば、 項目 月額 家賃収入      100万円 管理・清掃等 ▲10万円 修繕・設備費 ▲5万円 ローン返済 ▲55万円 その他経費 ▲5万円 手元に残るお金 25万円 この場合、家賃収入は100万円ですが、実際に手元に残るキャッシュは25万円です。 つまり、アパート経営では**「いくら売上があるか」だけではなく、「最終的にいくら現金が残るのか」を見ることが大切です。 2.「利益」と「キャッシュフロー」は同じではない ここは、アパート経営を理解するうえで非常に重要なポイントです。 会計上の「利益」と、実際の「現金の増減」は必ずしも一致しません。 その代表例が減価償却費です。 建物は時間の経過とともに価値が減少していくため、税務・会計上はその取得費用を一定期間にわたって費用として計上します。 これが減価償却です。 しかし、減価償却費は、毎年実際に現金を支払っているわけではありません。 そのため、 利益を計算するときには経費になるが、その年に現金が出ていくわけではない という特徴があります。 一方、ローン返済では注意が必要です。 ローン返済には、 元金 利息 が含まれています。 このうち、一般的に利息は経費になりますが、元金返済は経費ではありません。 しかし、元金を返済すると実際のお金は出ていきます。 そのため、 「税金計算上は利益が残っているのに、手元のお金があまり増えていない」 ということが起こるのです。 3.家賃収入があるのに、お金が残らない5つの理由 では、なぜアパート経営では「家賃収入があるのにお金が残らない」という状態になるのでしょうか。 主な理由を5つ紹介します。 ① ローン返済額が大きい アパート経営で大きな支出になりやすいのが、金融機関へのローン返済です。 例えば、毎月の家賃収入が100万円あっても、ローン返済が60万円あれば、残りは40万円です。 さらにそこから管理費や修繕費、税金などを支払う必要があります。 特に注意したいのが、「家賃収入に対してローン返済がどのくらいの割合になっているか」です。 借入額が大きい場合、家賃収入が順調でも、返済によって手元資金が少なくなることがあります。 ② 修繕費が発生する アパートは、建てたら終わりではありません。 建物や設備は時間の経過とともに劣化するため、修繕が必要になります。 例えば、 エアコン 給湯器 給水設備 浴室・キッチン 外壁 屋根 防水 共用灯 インターホン エレベーター などです。 また、一定の築年数になると、外壁塗装や防水工事など、まとまった金額の修繕が必要になる場合があります。 毎月の修繕費が少なくても、数年に一度、大きな修繕費が発生することがあります。 そのため、 「今月はお金が残った」 だけで判断するのではなく、 「5年後、10年後にも修繕費を支払えるか」 という視点が重要です。 4.空室が発生するとキャッシュフローは大きく変わる アパート経営において、空室はキャッシュフローに直接影響します。 例えば、10戸のアパートで1戸あたりの家賃が5万円の場合、満室なら、 5万円 × 10戸 = 月50万円 の家賃収入です。 しかし、2戸空室になると、 5万円 × 8戸 = 月40万円 となります。 年間では、 10万円 × 12か月 = 120万円 の収入減です。 しかも、ローン返済や固定資産税などの固定的な支出は、空室が増えたからといって同じ割合で減るわけではありません。 つまり、 家賃収入が減っても、支出はあまり減らない ということがあります。 これが、空室がキャッシュフローに与える大きな影響です。 5.「税金」も忘れてはいけない アパート経営では、税金についても資金計画を立てる必要があります。 代表的なものとして、 所得税 住民税 固定資産税 都市計画税 などがあります。 特に固定資産税・都市計画税は、毎月の支払いではなく、まとまった金額を納付することがあります。 そのため、 「毎月はお金が残っているから大丈夫」 と思っていても、納税時期に資金が不足する可能性があります。 したがって、キャッシュフローを考えるときは、月単位だけではなく年間単位で確認することが重要です。 6.「家賃収入-経費」だけでは不十分 アパート経営の収支を見るとき、 家賃収入 − 経費 = 利益 と考えてしまう方もいらっしゃいます。 しかし、実際の資金繰りを考える場合には、ローン返済も忘れてはいけません。 例えば、 年間家賃収入 1,200万円 年間経費 300万円 とすると、 1,200万円 − 300万円 = 900万円 となります。 しかし、年間のローン返済額が600万円あれば、単純化すると、 900万円 − 600万円 = 300万円 がローン返済後に残るキャッシュのイメージになります。 さらに、ここから所得税・住民税などの税負担や、突発的な修繕費なども考える必要があります。 そのため、アパート経営では、 「利益はいくらか?」 だけではなく、 「実際に使えるお金はいくら残るのか?」 を見ることが大切です。 7.キャッシュフローを良くするためには? では、キャッシュフローを改善するためには何をすればよいのでしょうか。 ポイントは大きく4つあります。 ① 適正な家賃設定をする 家賃を高く設定すれば、必ずしもキャッシュフローが良くなるとは限りません。 周辺相場より高すぎる家賃設定にすると、空室期間が長くなり、結果として年間収入が減ってしまう可能性があります。 そのため、 「設定家賃」ではなく「年間でどれだけ家賃収入を確保できるか」 という視点が重要です。 ② 空室期間を短くする 空室が長期化すると、その期間は家賃収入が発生しません。 そこで、 募集条件の見直し 家賃設定の見直し 内装の改善 設備の追加 インターネット無料などの付加価値 写真や募集方法の改善 など、物件ごとに適切な対策を考えることが重要です。 ③ 修繕費を計画的に準備する 突然、大きな修繕が必要になっても対応できるよう、毎月のキャッシュフローの一部を将来の修繕に備えて確保しておくことも大切です。 特に築年数が経過した物件では、 「今、いくら残っているか」 だけでなく、 「今後、どのような修繕が必要になるか」 を予測しておきましょう。 ④ 借入金を適切に管理する ローンは、アパート経営において大きな支出になります。 そのため、 借入額 金利 返済期間 毎月の返済額 元金の減り方 金利上昇時の影響 などを確認することが重要です。 特に、「毎月いくら返済しているか」だけではなく、将来の家賃下落や修繕費の増加を考えても返済を続けられるかという視点が必要です。 8.キャッシュフローは「今」だけでなく「将来」を見る アパート経営では、現在のキャッシュフローだけを見て判断するのは危険です。 例えば、築10年のアパートと築25年のアパートでは、今の家賃収入が同じでも、今後必要になる修繕費は異なる可能性があります。 また、ローンについても、 残りの返済期間 金利 残債 将来の返済額 を確認する必要があります。 したがって、アパート経営では、 「今いくら残っているか」 + 「将来いくら必要になるか」 をセットで考えることが重要です。 9.キャッシュフローを見ると「物件の健康状態」が分かる キャッシュフローは、単なる収支計算ではありません。 物件を長期的に保有するうえで、その物件がどの程度お金を生み出し、将来の支出に対応できるのかを確認するための重要な指標です。 例えば、 「家賃収入は多いけれど、ローン返済が大きい」 「満室だけれど、修繕費が多く発生している」 「利益は出ているが、手元資金が増えていない」 といった場合には、数字をもう一段詳しく確認する必要があります。 そして、キャッシュフローを確認する際には、損益計算書だけではなく、借入金の残高や建物の価値、手元資金などを含めて確認することが大切です。 これは、以前ご紹介した「バランスシート(貸借対照表)」ともつながってきます。 10.まとめ|アパート経営は「家賃収入」より「手元に残るお金」が重要 アパート経営では、 「家賃収入が多い=儲かっている」 とは限りません。 なぜなら、家賃収入から、 管理費 修繕費 固定資産税・都市計画税 保険料 ローン返済 その他の支出 などを支払う必要があるからです。 だからこそ、オーナー様が確認したいのは、 「年間でいくら家賃が入るか?」 だけではなく、 「最終的にいくら現金が手元に残るのか?」 ということです。 さらに、現在のキャッシュフローだけでなく、空室、修繕、金利、ローン残高などを踏まえて、5年後・10年後も安定してお金を残せるかを考えることが、長期的な賃貸経営につながります。 アパート経営では、目先の家賃収入だけを見るのではなく、「収入・支出・借入・修繕・将来」を一つの流れとして考えることが大切です。 【オーナー様へのおすすめチェックポイント】 現在所有されているアパートについて、まずは次の5項目を確認してみましょう。 □ 年間の家賃収入はいくらか □ 年間の経費はいくらか □ 年間のローン返済額はいくらか □ 年間で実際にいくら現金が残っているか □ 今後5~10年で大きな修繕が発生する可能性はないか この5つを整理するだけでも、**「収益は出ていると思っていたけれど、実はキャッシュがあまり残っていない」**といった問題に気づきやすくなります。

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